一般的にほくろは良性であるため放置しておいても問題はありません。しかしほくろの中には稀に悪性の事もあるので皮膚科専門医での診察および診断をお勧めします。ほくろの診断にはダーモスコピーという拡大鏡を用いて悪性かどうか検査をします。ダーモスコピーを用いても診断がはっきりしない場合もあります。その場合はほくろを一部摘出し病理検査に提出します。病理検査に提出することで正確な診断をする事ができます。
ダーモスコピーや病理検査でほくろと診断できれば治療に入ります。
ほくろの治療については以下の3つの方法があります。
1)エルビウムヤグレーザーにより削り取る方法(自費)
2)炭酸ガスレーザーによる方法(自費)
3)メスで切除し縫合する方法(保険診療)
1)2)のレーザーによる治療ではほくろをレーザーで削ります。削った創部は潰瘍の状態になっており、その後テーピング保護を2週間程度行う事で傷を治します。レーザーでの治療の場合削り過ぎないように注意します。削り過ぎた場合は皮膚が凹んだ状態のままになってしまう事があるので、深いところに病変が及んでいる場合はあえて病変を残すこともあります。そのためレーザーを用いたほくろ治療は切除する方法に比べると再発率が高くなることは否めません。しかし当院では顔面にできたほくろの場合は、レーザーでの治療をお勧めします。顔は体の中で傷の治りが早く、また最小限の瘢痕で治癒する事が可能です。また短時間で多数のほくろを治療できますので、顔のほくろとりのレーザー治療は当院での人気メニューにもなっております。
3)のメスで切除する方法は切除後縫合が必要となりレーザーに比較すると時間がかかったり、抜糸の手間があったりするものの、確実な病変切除が可能で、再発はなく、診断も確定できるというメリットがあります。
おもに顔にある平らで小さいほくろを治療する場合、このエルビウムヤグレーザーを用います。5mm以下のほくろであれば一個あたり10秒程度で削りとる事ができます。当院では1回の施術で10カ所までとる事ができます。
①局所麻酔し、麻酔が効いたのを確認しレーザーを照射します。
②取り残しがない事、また止血を確認し施術終了です。
③テーピングを2週間続けます。
④2~3ヶ月程度は創部の色素沈着が続きます。日光により施術後の色素沈着が増強する事があるため日焼け止めをしっかり外用いただきます。
施術のリスク:紅斑、疼痛、炎症後色素沈着、肥厚性瘢痕、ケロイド、皮膚陥凹、熱傷
おもに顔にある隆起したほくろを治療する場合、この炭酸ガスレーザーを用いシェイブするようにほくろを摘除します。摘除した部分は傷あとになるためエルビウムヤグレーザーと同様テーピング保護が必要です。5mm以下のほくろであれば一個あたり30秒程度で削りとる事ができます。当院では1回の施術で10カ所までとる事ができます。
①局所麻酔し、麻酔が効いたのを確認しレーザーを照射します。
②取り残しがない事、また止血を確認し施術終了です。
③テーピングを2週間続けます。
④2~3ヶ月程度は創部の色素沈着が続きます。日光により施術後の色素沈着が増強する事があるため日焼け止めをしっかり外用いただきます。
施術のリスク:紅斑、疼痛、炎症後色素沈着、肥厚性瘢痕、ケロイド、皮膚陥凹、熱傷
体幹、上肢、下肢にできたほくろは切除術を行う事が多いです。体幹四肢にできたほくろをレーザーで摘除すると肥厚性瘢痕や白色瘢痕になる場合はあるため、多くが切除術で治療します。
顔にできたほくろでも大きいほくろの場合は切除をお勧めする事があります。
①局所麻酔し、麻酔が効いたのを確認し、メスでほくろを切除します。
②ほくろの直径より約2~3倍の直線の傷になるようにします。
③その後縫合し手術を終了します。
④摘出した検体は病理検査に提出します。
⑤1週間後に抜糸します。部位によっては2週間後になる事があります。
※保険適応ですので3割負担の方で自己負担分はおよそ1万円です。