当院はこのたび、みずいぼの治療として摘まんでとるという摘除術を行わない方針としました。
事の経緯としましては以前より考えていたのことなのですが、説明いたします。
一般的にみずいぼ(軟属腫)は放置しておいても普通の皮膚の免疫機能が備わっていれば自然と治癒していく疾患です。
しかしみばえ状の問題や人にうつるという理由で治療を必要とされてきました。
その治療というのは現在のところ摘まんでとるという原始的な治療しかありません。
みずいぼの患者さまは一般的に3~5歳という未就学時のお子様が多くこの摘まんでとるという痛みを伴う治療を非常に怖がり泣きじゃくります。泣いている子をスタッフ複数人で押さえつけて治療せざるをえないのです。令和の時代ではありえないような事をしなくてはなりません。
学校保健法にも指定されていない疾患で、放置しておいてもいずれ治る疾患を、スタッフ複数人で押さえつけて行うような医療行為を果たしてすべきなのであろうかというジレンマを私は開業当初より抱え続けてまいりました。
コロナ禍の今、泣きじゃくる子を複数人で押さえつけるという密な状況を医療行為でつくるのもいかがなものであろうか、また子供にトラウマを与えるような治療はこれからの医療にそぐわないのではと判断し、当院ではみずいぼ取りをしないという選択をしました。
ご理解いただけますと幸いです。
ひかり皮ふ科クリニック 篠田洋介