脂漏性皮膚炎の原因としては、ヒトの皮膚に常在しているマラセチアというカビが挙げられます。皮膚の常在菌であるマラセチアは通常は人体に無害ですが、皮脂が増えすぎるとそれを餌に大量に増殖します。ですから皮脂が通常よりも分泌されると脂漏性皮膚炎を発症するきっかけとなります。
マラセチアの増殖因子としては下記が挙げられます。
・洗顔不足
・入浴不足
・ストレスによるホルモンバランスの乱れ
・生活リズムの乱れ
・食事のかたより(肉食、脂分の摂取 ビタミンB群の不足)など
当院では脂漏性皮膚炎の治療はステロイド外用薬の塗布、抗真菌外用薬により行っております。患者様の脂漏性皮膚炎の状態を確認し、軽症の場合はステロイド外用薬による治療を行います。脂漏性皮膚炎の重症度が高い患者様、ステロイド外用薬だけでは効果示さない患者様に対しては抗真菌外用薬を併用して治療をします。
基本的には2週間から1ヶ月の治療を必要としています。
外用薬の塗布により、脂漏性皮膚炎が一時的に改善しても、季節の変わり目、環境の変化で再診される患者様が大変多いです。自己判断で外用薬の塗布を中止せず、継続し治療を行ってください。
また、外用薬を使用して効果が感じられなかった場合も自己判断で中止せず、必ず医師に相談してください。
脂漏性皮膚炎の改善、予防のために日常生活では以下のようなことを意識して取り組んでください。
・脂っこい食べ物を過剰に摂取すると皮脂の発生を助長し、マラセチアの増殖に繋がります。バランスの良い食事を心がけてください。
・辛い物など刺激物の摂取は脂漏性皮膚炎が増悪する恐れがありますので、できるだけ控えてください。
・過度のストレスや寝不足など生活リズムの乱れによってホルモンバランスが乱れ、脂漏性皮膚炎の症状が増悪する恐れがあります。規則正しい生活を心がけてください。
・脂漏性皮膚炎が軽症の場合は小まめな洗髪により、症状が改善する場合があります。肌にあった洗髪剤で激しくこすらないように洗髪することを心がけてください。また。抗真菌薬含有の石鹸やシャンプーの使用も治療の手助けとなります。